ブレーキダストの真実
NDAも終わり、イベントが落ち着いてしまったKです。
「真実」と書くと仰々しくなってしまうのですが、ネットを見ていても割と間違っている情報があるので、整理しましょう。
コラム記事として割と足回りについて書いてきています。ぜひ過去記事もどうぞ。
○タイヤの空気圧について:【基本編】
○タイヤの空気圧について:【技術編】
○ホイールナットのあれこれ
そもそもブレーキの構造は?
主にブレーキダストが発生するのは、フロントブレーキが多いですね。
というのも、現在の乗用車は全てと言っても過言ではなく、フロントブレーキはディスクブレーキになっています。

ディスクブレーキというのは放熱性もあり、制動力も安定し、部品交換も容易な画期的な機構です。
が!ドラムブレーキと比べて摩擦面が解放されているため、ブレーキダストが発生した場合、ホイールや車両のインナーに付着してしまいます。
そして、そのホイールに付着したブレーキダストがサビてあの赤茶色いヨゴレとなるのです。
ん?サビる?
ブレーキダストの真実!
そうなのです。あの赤茶は”サビ”なのです。
ということは、ブレーキダストの正体はスチール(鉄)です。
鉄の粉がホイールに刺さり、サビて固着してしまうため、長らくホイールを洗っていないとホイールにダストが刺さりそのままサビてしまい、いざ落とそうと思っても落ちないのは、そういうことです。
ブレーキダスト間違い
先程ブレーキダストは鉄だっ と書きましたが、ここでネットでよく見かける記載として、ブレーキパッドの摩耗した粉が付着 云々 と書かれている事があります。
GT-Rみたいなセミメタリックパッドであればその説明も間違いではありません。メタリック(鉄)を使っていると鉄粉が発生するので、パッドの摩耗粉として鉄が混じりあのヨゴレになります。
駄菓子菓子!
一般的な純正パッドは「ノンアス」という材質で主にアラミド繊維(コトバンク)という物質から出来ています。アラミド繊維とは、強引に言ってしまえばナイロンです。
ナイロンが主材として出来ているのに、ブレーキパッドの摩耗粉として鉄が発生するハズがありません!
ノンアスのブレーキパッドの場合、ブレーキディスクとの摩擦熱によりガスとなり気体として放出されます。なので、あのブレーキダストのヨゴレとパッドは関係ありません。
ブレーキダストの正体
さて、誇張な感じでお届けしているブレーキダストの真実です。
パッドから発生するのは蒸発ガスのため、ダストの原因となる鉄は発生しません。
でも、実際にホイールは鉄粉によりサビています。じゃぁ、その鉄粉はどこからやってくるのか?
ブレーキの機構上、鉄を使用しているのは・・・?
そう、ブレーキローターの方です。

パッドとローターが摩擦することで、ローターがわずかに削られ鉄粉が発生するのです。
これが、ブレーキダストの正体です。
大事なことなのでもう1度書きます。
これが、ブレー(略
まとめ
以上がブレーキダスト真実です。
パッドに罪はありません。悪いのはディスクローターです。ですが、この摩擦で命を守っているので、何も咎められません。
出てしまったダストはこまめに洗いましょう(´・ω・`)
もしこびり付いてしまったら、洗車コーナーとかにある「鉄粉除去剤」とかでも落ちます。(特殊塗装しているホイールにかけたらどうなるか分かりません)
日産にも丁度いい鉄粉除去剤があるので、お試しあれ?

KAB01-50090(500ml)
KA307-00490(4L)
補足
ちなみにブレーキパッドの材質です。
材質 | ノンアス | セミメタリック | カーボンメタリック | メタリック |
特徴 |
ノンアスベスト ノンスチール アラミド繊維主材 |
スチール繊維を主材 | スチールとカーボン繊維を主材 | 金属を主材 |
メリット |
鳴き少ない ダスト少ない ローターへの攻撃性少ない |
耐摩耗性に優れる |
制動力高し 耐熱性に優れる |
耐熱性に優れる |
デメリット | 耐熱性低し |
ダスト多し よく鳴く |
ダスト多し よく鳴く ローターへの攻撃性高し |
ダスト多し よく鳴く ローターへの攻撃性高し |